便箋に手紙を書いた後、封筒の表に宛名を書き、裏に署名をして封をする…普段何気なく行っていることですが、実は封書の「表書き」と「裏書き」にはきちんとしたマナーがあるのをご存じですか?「そんなこと気にしなくても、書けば届くでしょ」と思ったあなた、もしかしたら今までの書き方では、相手に対して失礼な態度になっていたかもしれませんよ。そのような事にならないよう、今回は私たちが良く使う「和封筒」の表書きと裏書きのマナーをご紹介します。今までの書き方を見直すいいチャンスです。ぜひ参考にして下さいね。
目次
■ 相手の住所の書き始め
住所はどこから書き始めればいいのか迷いますよね。書き出しの場所として最も良いとされるのは、郵便番号の小枠の右側2つの中心です。そこから書き始めるとバランスのとれた住所が書けます。郵便番号の枠から1文字分下げて(字下げ)書き始めましょう。
■ 住所は基本的に省略しない
今では郵便番号をきちんと記載すれば、都道府県を書かなくても相手先の住所に正しく郵送されます。しかし、住所を省略することは失礼な印象を与えかねません。特に目上の方には都道府県から書き始めるようにしましょう。
■ 番地、ビル、アパート名
和封筒は一般的に縦書きですので、番地は漢数字を使いましょう。ビル、アパート名は住所の文字より若干小さめの字で、住所の位置よりも少し下げて書きます。
■ 肩書、敬称
肩書は個人宛ならば、その人の所属する会社名と役職を敬称をつけずに書き、個人名の最後に「様」をつけます。団体や組織宛てであれば、その団体名の後ろに「御中」をつけます。
■ 氏名
住所よりも大きめの字で書きましょう。郵便番号の3つの大枠の中心から書くとバランスがよくなります。
■ 連名宛ての場合
連名で宛名を書く場合は、それぞれに「様」をつけます。例えば家族宛てであれば「御家族様」、会社の複数人宛てであれば「〇〇会社御一同様」など、省略せずにそれぞれ敬称をつけます。
■ 自分の住所の書き始め
自分の住所は、封筒の縦の継ぎ目のすぐ右側中央から書き始めます。氏名は継ぎ目の左側に、住所よりも少し下から、やや大きめの字で書きます。
■ 日付
左の上の方に、手紙を差し出した日を書きます。
■ 封印
のり付けをしてきちんと封をした後に「〆」「封」「緘」などの封字を書きます。
手紙の表書きには、相手側にさらなる敬意を表する表現の「脇付け」と、手紙の内容や添付書類についての説明をする「外脇付け」があります。
■ 脇付け
宛名の左下に書かれます。しかし現在では医師同士のやりとりなどで使われるくらいで、一般の手紙ではほとんど使用されません。
(一般の人向け) 机下、座右、案下、座下、足下
(目上の人向け) 侍史、膝下、台下
(女性向け) 御前、みもとへ
■ 外脇付け
脇付けのさらに左下に書きます。赤色で書かれるのが一般的ですが、青や黒で書いてもかまいません。
(宛名の人以外の開封厳禁、プライベートレター)親展、親披
(急ぎの要件)急信、至急
(返信を願う)拝答 待貴答
(内容を明記する)在中
いかがでしたか?案外知らない内容が多かったのではないでしょうか。今回ご紹介した内容を元に、正しい表書きと裏書のマナーを覚えて、手紙を書く際に役立てたり、周りの人に教えてあげて下さいね。