手紙における7月の結び

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夏の訪れを感じさせる

季節に関わりなく使える結びの言葉はありますが、どこか季節を感じさせてしまう、その月ならではの表現もいろいろとあります。7月と言えば、梅雨が明けて暑さが本格化する時期で、空の青さや真っ白な積乱雲などが印象的となります。7月を彩る言葉には、伝説に基づきこの日に願い書いた短冊を笹に飾ると叶うと言われる、七夕。祖先の霊などをお迎えする、お盆。旧暦の7月15日を指す、中元。立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間を指す、土用。夏の土用の入りは7月20日頃で、土用の丑の日にうなぎを食べると夏バテしないとされます。二十四節季では暑さが増してくる小暑、暑さが本格化する大暑。これらを上手く盛り込んだ表現が7月の結びの言葉に使われます。結びの言葉によって、時節に相応しい季節感が漂う手紙になるわけです。それでは、この手紙における7月の結びについて説明していきます。

改まったビジネスの手紙の場合

「炎暑に焼けるような折、皆様方のご無事息災を心よりお祈り申し上げます。」
「暑さ厳しき折、貴社皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」
「梅雨明けの暑さひとしおでございます。何卒体調を崩されませぬよう、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」
「暑熱耐え難き時節でございますが、皆様ご壮健にて乗り切られますようお願い申し上げます。」
「暑さ厳しき折、皆様のより一層のご健康を心よりお祈り申し上げます。」
「厳しい暑さが続きますが、より一層のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」
「まだまだ猛暑の日々が続きます。皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」
「暑さ厳しき時節柄、どうかご自愛専一に、ますますのご活躍をお祈り申し上げます。」

堅苦しくないビジネスの手紙の場合

「猛暑のみぎり、皆様ご自愛専一にお過ごしください。」
「暑さが厳しい折、○○様くれぐれもご自愛ください。」
「日増しに暑さが厳しくなります。皆様お元気でお過ごしください。」
「酷暑にお体を崩されませぬよう、どうかご自愛専一にお過ごしください。」
「本格的な夏を迎えました。どうぞお身体をご自愛ください。」
「猛暑が続きますが、○○様のご繁栄の契機となりますよう、お祈りいたします。」
「厳しい暑さが続いておりますが、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたします。」
「今年は例年にない暑さです。何卒ご自愛の上、ご活躍ください。」
「暑さもことのほか厳しき折、皆様の幸福をお祈りいたします。」

親しい人への手紙の場合

「このところ身体にこたえる猛暑が続きますが、夏バテなどされませぬよう。」
「暑さ厳しい暑さの毎日です。健康にはくれぐれもご留意ください。」
「まもなく隅田川の花火大会となります。近いうちにお会いしましょう。」
「本格的な夏の到来です。○○さんのご活躍を期待しています。」
「寝苦しい熱帯夜が続きます。お元気でお過ごしください。」
「海山の恋しい季節、お身体にお気をつけて。そのうちにお伺いします。」
「寝苦しい夏の夜、冷房で冷やし過ぎて、風邪など引かれませぬようお気をつけください。」
「ご家族おそろいで、楽しい夏になりますよう計画をお立てください。どうぞお健やかに。」
「急に暑さが強まってまいりました。お互いこの盛夏を乗り切りましょう。」

まとめ・暑さを気遣うことが大切

七夕、お盆、土用の丑の日、大暑などの言葉を使うことで結びの挨拶に季節感が漂います。ビジネスの手紙や親しい人に宛てる手紙などには、この7月を彩る言葉を使ったそれぞれに相応しい結びの表現があることがわかります。改まったビジネスの手紙では、「梅雨明けの暑さ~」「暑さ厳しき時節柄~」などの言葉を盛り込み「お祈り申し上げます」のような、より丁寧な表現にします。堅苦しくないビジネスの手紙では、「日増しに暑さが厳しく~」「本格的な夏を迎えました~」などの言葉を盛り込み「お過ごしください」のような相手を気遣う柔らかい表現にします。親しい人への手紙では、「寝苦しい熱帯夜~」「海山の恋しい季節~」などの言葉を使って語りかけるように表現します。これらを相手に合わせて使い分け、情緒ある7月の手紙として結びたいものです。