今回は「依頼状」の書き方のご紹介です。相手に対して物事を依頼したり、お願い事をするわけですから「謙虚で真摯な姿勢」が最も重要です。丁寧に礼儀を持って書くことがマナーです。また、依頼しにくい内容をお願いする場合もありますので、相手へ迷惑がかからないように慎重な配慮も必要になってきます。今回ご紹介するマナーをしっかり学んで、相手に快諾してもらえるように謙虚な姿勢で取り組みましょう。
目次
依頼状の中には返事の期限があったり、必要書類などを提出してもらう場合があります。ですから、相手側にそのような準備を余裕を持って取り組んでもらうためにも、依頼する内容が決まったら早めに出すことが重要です。直前に出して相手側に迷惑をかけないように配慮しましょう。
■ 挨拶
依頼状の内容は、通常の手紙同様、まずは時候のあいさつから始めます。そして相手の近況を伺い、余裕があればこちら側の近況もお知らせします。
■ 依頼の内容
次に本題である「依頼したい内容」を書いていきます。このとき重要なのが、依頼内容を「明確に知らせる」ことです。「何を、どのように、いつまでにお願いしたいのか」をはっきりと簡潔に書きます。あいまいな表現を使うとかえって誤解を招き、迷惑をかけることになります。たとえ家族や友人など親しい間柄の相手でも、できるだけわかりやすい表現を心がけましょう。
■ 結びの言葉
最後に、相手の健康と活躍を祈りながら、結びのあいさつを書きます。謙虚にお願いする気持ちをここでもう一度表しましょう。
■ 強制的なお願いはNG
本来、依頼状とは「依頼を引き受けてもらえるか」を確認する手紙であり、手紙が相手に届いた時点では相手の承諾はまだもらっていない状態です。そのようなときに、手紙に書類などを同封して「〇月〇日までにこの書類に記入して返信して下さい」のように、承諾をすでにもらっているかのような書き方はマナー違反になります。また「〇〇さんは承諾して下さいました」など、相手が断りにくい内容を書くこともNGです。あくまでも依頼のみを心がけましょう。
■ 相手に絶対に迷惑をかけない意思を必ず書面に記す (お願いしにくい内容の場合)
依頼状の中には、連帯保証人の依頼や借金のお願いなど、相手に迷惑がかかる可能性を含むものもあります。そのような依頼には、相手側もトラブルに巻き込まれないかと不安に思うものです。必ず、依頼によって相手側に迷惑がかかることはない旨を文面にはっきり書きましょう。
以上のようなポイントをふまえて、依頼状を書く際の例文をご紹介したいと思います。テーマは「身元保証人の依頼状」です。
「拝啓 桜の花も散り始めるこの頃、〇〇様におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。平素はいつもお世話になり誠にありがとうございます。
本日は折り入ってお願いしたいことがございまして筆を執らせて頂きました。
私は〇〇大学を卒業し、この4月に株式会社▲▲に入社いたしました。入社にあたり、会社より両親以外の身元引受人を立てるように言われました。つきましては、〇〇様に私の身元引受人になって頂きたく、お願い申し上げる次第でございます。
お引き受け頂くにあたって、〇〇様にご迷惑をおかけすることは決してないよう日々努めますので、ぜひご承諾下さるようお願い申し上げます。
ご承諾頂ける場合は、4月中に必要書類を持ってお伺いする所存です。まずは略儀ながら書中をもちましてお願い申し上げます。
いかがでしたか?依頼状はお詫び状同様、なかなか書きづらいものです。しかしマナーを学んで謙虚な姿勢を持って臨めば、相手にもその気持ちが届き良い返事がもらえるかもしれません。真摯な態度で誠意をも持って取り組んでみて下さいね。