目次
メールやチャットといった便利なツールがあるので、手紙を書く機会はめっきり減りました。それでも、結婚式などでふと思い立ち手紙を書くことはありますが、いざ手紙となると何をどう書いたら良いか迷いがちです。慣れていないので、文面どころではなくなるかもしれません。しっかりと、手紙の書き方は知っておく必要があります。4月は、入学入社があり新しい生活が始まり、花も盛りとなる時期にあたります。一般的に手紙では、書き出しや結びのどちらにも、季節感を漂わせる表現を盛り込んで書いていきます。4月の季語には、春の日、桜、入学、春大根、草餅、桜餅、桃の花、花見、花曇、鮑(あわび)、チューリップ、ヒヤシンス、花祭、若草、春光、青麦、菜の花、蝶などがあります。これらを使って自分なりの言葉や表現をして、相手を気遣います。心のこもった手紙はいつでも喜ばれるものです。それでは、この4月の手紙の例文について説明していきます。
「日ごとに暖かくなり、日中は気持ちのいい陽気となりました。皆様お元気でいらっしゃいますか。」
「桜の花も盛りを過ぎ、吹く風も暖かく感じられる今日この頃。お変わりありませんか。」
「春の嵐に桜吹雪が舞っております。皆様にはお変わりございませんか。」
「木々が緑に輝き始める季節。ますますお健やかなことと思います。」
「花便りが各地から聞こえてくる時節となりました。皆様お元気でいらっしゃいますか。」
「春眠暁を覚えずと申しますが、お変わりはありませんか。」
「桜が満開を迎えましたが、そちらはもう葉桜でしょうか。皆様ますますお健やかなことと思います。」
「先月までの寒さがうそのように感じられます。皆様にはお元気でお過ごしのことでしょう。」
「春光うららかな今日この頃、いかがお過ごしですか」
「花冷えの頃は体調を崩しやすいものです。どうぞお身体を大切にお過ごしください。」
「桜見物の好季節となりました。お会いできる日を楽しみにしています。」
「季節の変わり目です。どうぞお身体を大切になさってください。」
「環境が変わり何かと大変だと思いますが、何卒ご無理はなさらないください。」
「不安定な天候の季節です。どうぞお身体をご自愛ください。」
「新しい生活が実り多いものになりますようお祈りいたします。」
「行く春を惜しみつつも、春雨などで風邪を引きませぬよう、どうぞお身体を大切にお過ごしください。」
「新しい環境での心機一転、今後のご活躍を大いに期待しております。」
・花まつり
お釈迦様の誕生日で、仏生会(ぶっしょうえ)や降誕会(ごうたんえ)とも呼ばれています。現在では宗派を問わずお寺にお参りして、花御堂に安置された誕生仏に甘茶をかけて礼拝します。
・エイプリルフール
嘘をついて良い日とされます。4月1日の午前中までに嘘をつき、午後はその嘘を明かすというルールや、この日についた嘘は1年間実現しないというジンクスなどもあるとされています。
・清明
二十四節季の一つで、春分から数えて15日目頃を指します。春先の清らかな様子を表した「清浄明潔」を略したもので、万物が若返り、清々しく明るく美しい季節という意味になります。
・穀雨
二十四節季の一つで、清明から数えて15日目頃を指します。春雨が百穀を潤すことに因んで名づけられ、雨で潤った田畑は種まきの好期となります。
4月は、新年度に変わる月で新しい生活も始まり、花も盛りの頃となります。季語には、桜、入学、春大根、桜餅、桃の花、花見、花曇、チューリップ、花祭、若草、春光、青麦、菜の花、蝶などがあります。これらを用いて手紙をしたためます。4月の手紙の書き出し、結び、結びに使えるネタには、それぞれ相応しいものがあることがわかります。書き出しでは、「花便りが各地から聞こえて~」「日ごとに暖かくなり~」「春光うららかな~」などを用いて相手の元気さなどを拝察します。手紙の結びでは、「花冷えの頃~」「季節の変わり目~」「行く春」などを用いて、相手を気遣う言葉で締めくくります。結びに使えるネタには、「花まつり」「清明」などがあります。これらの表現を使って、フレッシュ感や春を感じさせる4月の手紙を書きたいものです。