目次
手紙を書くことが少なくなった現代、もちろん手紙を折ることも少なくなったのは当たり前です。手紙の折り方を学ぶ前に、昔の人々は手紙をどのように折っていたかを調べてみました。とても興味深いことがわかりましたよ。現代なら、手紙を書いたらその便箋を三つ折りにしたり四つ折りにしたり、封筒に合わせた折り方をし、封筒に入れて封をして〆と書いて投函します。ところが昔、紙が貴重な時代には一般人はなかなか紙を使うことがなかったようで、私たちが気軽に手紙を書くということも一部の高貴な方々のものだったようです。もちろん戦国時代も紙は大変高価なものでした。時代劇で戦国武将が巻物の手紙を送ったり受け取ったりするシーンがありますが、この貴重な紙を武将たちは大切に扱っていたのです。手紙の作法に「切封」という方法があり、手紙の本文を書いた紙の右端を数ミリ幅で切り取り、紙の紐のようなものを作ります。そして、折った手紙をその紐でくくっていたそうです。高価な紙を節約して手紙を折ってそのまま髪の紐でくくって送り届けるという風習があったようです。
手紙を書いたあと、どのように折って封入しますか?あまり気にしないで自然に行っていることでしょうか。それにもルールや考え方がありますので、もう一度振り返って、手紙の折り方と封筒への封入方法を覚えておきましょう。まず、封筒の種類と折り方ですが、「和封筒(三つ折り)」「和封筒(四つ折り)」「洋封筒(縦書き)」「洋封筒(横書き)」があります。では、それぞれについて詳しく説明いたします。
手紙の折り方マナーの基本として、最も使用されるのが和封筒の三つ折りです。改まった手紙を書く場合、便箋も封筒も白無地を使用します。封筒は二重のものか少し厚めの紙を使った封筒を用意します。ここで注意したいのは、二重の封筒を弔事やお見舞いには使用しません。不幸が重ならないようにという意味からくるものです。このようなマナーがあるので、特に弔事では知らなかったでは済まされませんので気を付けてください。また、封入の際は必ず「のり」で閉じましょう。セロハンテープやホッチキスは使用するものではありません。封筒をのり付けしたら封じ目に「封」や「〆」と書いて投函します。和便箋に縦に文章を書いて封筒に入れる時、手紙を表にして右上が書き出しとしますと、下から上に1/3織り上げて、次に上から残り1/3を下に折って重ねてください。封入する時に封筒の裏側から手紙を入れますが、書き出しが上の右側にくるように封入しましょう。
一般的な折り方としては三つ折りですが、封筒の大きさによっては三つ折りでは入らず、四つ折りにしなくてはいけない場合があります。こんな経験はありませんか?封筒の封を開けたものの三つ折りの手紙が封筒にぴったり入り込んで、手を突っ込んで取り出そうとしてもまるで封筒に貼りついたようになっている、いらいらして封筒を破ってしまうなんて無作法なことを…でも入れ方がいけないのだから仕方がないじゃない…と少し気分を悪くするという経験。私、たまにあります。こういう事にならないように封筒の大きさによって折り方を変えましょう。手紙を差し上げるということはあくまでも受け取り手の気持ちを考え、文章を書き、封入し、取り出しやすく、読みやすくすることが大切です。和封筒に四つ折りの場合も、封入の際は必ずのりで封をしてください。そして封じ目に「封」や「〆」と書いて投函します。こちらの場合も手紙を表にして右上が書き出しとしますと、下から上に半分に折り上げましょう。そしてもう一度下から上に半分折り上げます。枚数によって厚みが出てしまうのでしっかりと圧をかけて折りましょう。先ほどと同じように書き出しが上、封筒の裏側から手紙を入れますが、書き出しが上の右側にくるように封入しましょう。
洋封筒は、最近こそビジネスを中心に一般的になってきましたが、一頃より前はダイレックトメールや招待状、案内状、挨拶状、カードや写真を送るなど、特別な場合に使われるものでした。洋封筒にしても和封筒同様に白無地の封筒が正式なものです。親しい間柄やカジュアルな手紙でしたら、色のついた封筒や絵柄の入った封筒でも良いでしょう。また、気を付けておくことは、親しい仲でも弔事やお見舞いの手紙は白無地の封筒に白無地の便箋で送ることがマナーです。そして弔事やお見舞いに白無地封筒を使う場合、通常の手紙と封じ目が判定になるため、封筒事態に郵便番号枠がついていないものを逆さまに使うことで弔事お見舞い用の封筒に変えることができます。洋封筒ですが便箋は縦書きという設定ですと和封筒の時と同じように、手紙の書き出しを右上にして表面に置いて、左から右に半分に折り、下から上に半分に折ります。そして手紙の書き出しが右上になるように封筒の裏側を見ながら封入しましょう。洋封筒には「封」や「〆」の習慣はありませんのでのり付けのみにしましょう。
横書きの手紙を用封筒に入れる…これは外国郵便のようですが、今はこれが当たり前のようになっています。日頃からビジネス文書に慣らされてきている私たちですから、どうしても横書きが一般的になり、自然と洋封筒のほうが使いやすくなってきています。しかし何度も言っているように、日本では正式な文書は和封筒に縦書きのものです。洋封筒で横書きの手紙はカジュアルな手紙であると心がけてください。目上の人に宛てる場合や改まった内容の手紙を送る場合は便箋に縦書き、和封筒、白無地を使用することがマナーです。では、洋封筒横書きの封入の仕方ですが、手紙の書き出しが左上になるように便箋の表側を見せて置きましょう。下から上に半分に折り、右から左に半分に折り、手紙の書き出しが左上になるように裏側から封入します。洋封筒には「封」や「〆」の習慣はありませんのでのり付けのみにしましょう。